放射線治療 Radiation Therapy
ルタテラを用いた神経内分泌腫瘍に対するペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)
この治療はまずお薬(商品名:ルタテラ)を注射します。神経内分泌腫瘍の表面にあるソマトスタチン受容体を介してお薬が細胞内に取り込まれ、お薬から出る放射線で腫瘍細胞の内側から直接腫瘍にダメージを与える治療です。この治療を行うことで、病気の勢いを抑え、予後が延長されることが報告されています。
この治療を行うにはいくつかの注意点があります。1つ目は治療効果が期待できるかどうか判断するための事前の画像検査が必須です。この検査を行う事で、効果が出るかどうか分からない状態で治療を行うよりも効率の良い治療につながります。2つ目は内臓の機能や血液を作る力が保たれている必要があります。治療の主な副作用には吐き気や、疲れ、下痢、血液の減少、肝腎機能異常などがあります。重い副作用で苦しまないためにも内科・放射線科の医師が安全に治療を行えるか事前にしっかりチェックする必要があります。3つ目は放射線の出るお薬を注射するため、しばらくは体から微弱な放射線が出る点です。周囲の方に影響が出ないよう、日常生活に関する注意事項を十分ご理解いただいた上で、ご自身の身の回りの管理を行っていただく必要があります。当院では基本的に2泊3日の入院で治療を行い、副作用が問題なければ8週間おきに4回の投与を行います。
神経内分泌腫瘍に対する最適な治療を提供できるよう、各科が密に連携を取れる体制を整えております。