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岡山大学学術研究院医歯薬学域 放射線医学/岡山大学 放射線科

放射線治療 Radiation Therapy

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早期の口唇がん、口腔がんに対する密封小線源治療

密封小線源治療は外部放射線治療と比べ、より限局した治療であるため副作用の出現範囲が狭いことが特長です。また、外科治療と比べ、臓器の機能と形態の温存ができるという利点があります。
当院では早期の口唇がん、口腔がんに対して、セシウム針、金グレインを用いた密封小線源治療を行っています。舌がんに対してはセシウム針あるいは金グレインを腫瘍に直接挿入する組織内照射を、口唇がんや頬粘膜がんには金グレインを用いた組織内照射を行っています。また、歯肉がん、口腔底がん、硬口蓋がんに対しては腫瘍の状態により、金グレインでの組織内照射とアプリケーターと呼ばれる装置を用いた腔内照射(モールド法)を併用して行っています。
当院の早期口唇・口腔がんに対する密封小線源治療の局所制御率は約80-90%で、手術療法と同等の治療成績です。

セシウム針は直径1.65mm、長さ24.5mmもしくは55mmの針状線源で、これらを5~8本程度、腫瘍(舌)に対して直接刺入します(線源の刺入は一時的で、約1週間後に取り出します)。

早期の口唇がん、口腔がんに対する密封小線源治療1"
早期の口唇がん、口腔がんに対する密封小線源治療2

金グレインは直径0.8mm、長さ2.5mmの粒状線源を腫瘍の大きさに応じて、数個から数十個刺入します(線源は刺入したままになります)。

早期の口唇がん、口腔がんに対する密封小線源治療3

これらの小線源が一時的あるいは永久的に体内に留置されるため、一定期間(5~8日程度)隔離された病棟に入院していただきます。

早期の口唇がん、口腔がんに対する密封小線源治療4

当院では頭頸部がんセンターの歯科医師、歯科技工士と協力し、密封小線源治療による重篤な副作用である顎の骨の炎症や壊死を予防するためのスペーサーと呼ばれるマウスピースを使用して治療を行っています。

早期の口唇がん、口腔がんに対する密封小線源治療5

また、治療中、治療後の副作用(粘膜の炎症)を軽減するため、放射線治療開始前より頭頸部がんセンターの歯科医師、歯科衛生士による専門的口腔ケア・指導を行っています。

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