放射線治療 Radiation Therapy
ヨウ素125を用いた前立腺がん永久挿入密封小線源療法
前立腺がんに対する密封小線源療法は、放射線による治療法の一つとして、1990年頃からアメリカを中心に行われており、現在では年間4万人がこの治療を受けるまでとなり、その安全性と有効性が確認されています。岡山大学病院は2004年1月に日本で3番目にヨウ素125を用いた前立腺がん永久挿入密封小線源療法を開始し、2018年12月までに615名の患者様に治療を行っています。
密封小線源治療で用いられるヨウ素125は、約1×5mmの大きさのチタン製カプセルに被われた放射線物質で、このカプセルを前立腺内に60~100個ほど挿入します。挿入されたカプセルは約1年間、放射線を放出し、前立腺内にあるがん病巣を照射します。
治療は基本的には4泊5日の入院で行われます。下半身麻酔をかけ、肛門から超音波の器械を挿入し、超音波画像を見ながら会陰部(陰嚢と肛門の間)から前立腺内へ針を刺入し、針を通じて線源カプセルを挿入していきます。
前立腺内に集中して放射線を照射する治療ですので、体外から放射線を照射する外照射治療と比較すると、直腸や膀胱など前立腺周囲にある臓器への影響は少なくなります。
前立腺全摘出術との比較では、身体に対する負担が少ないこと、入院日数が少ないこと、性機能(勃起力)が約7割で温存できることが挙げられます。
前立腺がんに対する密封小線源療法は泌尿器科と共同で行っています。治療適応、副作用、費用、治療の実施手順等の詳細につきましては、岡山大学泌尿器科のホームページを参照ください。